電話で顧客対応を改善した4つパターン_2

電話で顧客対応を改善した4つパターン_2

パターン②  発注

ユニフォーム会社では、飲食店向けにユニフォームやテーブルクロスなどの備品を通信販売している。もともとユニフォームのレンタルが中心で販売事業は5年前に始めたばかりだが、着々と顧客を増やし売上を伸ばしている。  同社の自慢は、新規顧客の半数が継続購入していること。この比率は同業他社と比べて高いという。

電話一本で日本全国に商品を届ける通信販売では、顧客と直接会う機会はほとんどない。 だが「『いつものまた5枚ね』という注文にも応じられる。なじみのお店と同じ感覚で買ってもらっている」と取締役は自信を持って話す。

その秘密は法律事務所と同様、CTIシステムの活用にある。電話を受けると電話番号から顧客情報を自動的に検索し、パソコンで確認できる。「なまり」の強い電話でも大丈夫だ。さらに販売管理システムとも連携しているため、電話しながら、顧客の過去の購入履歴まで即時に参照できるのだ。

「いつものお願い」に対応できるだけでなく、「次はどうしよう」という顧客の相談に乗れるのも強みだ。例えば「以前買ったテーブルクロスが店のイメージと合わなかったので変えたい」といった相談を受けたとき、「前は赤だったから印象が強くなりすぎたのかも。今度は柔らかい色に変えてみた」といったアドバイスができる。

さらに「この色なら5センチくらい垂らすとステキなので、サイズは前回より一回り大きなものにしましょう」といったきめ細かい助言までしている。「電話で注文を受けるだけのオペレーションではなく、アドバイザーや営業担当者の感覚で顧客と接している。経費をかけずに、訪問販売並みのサービスを実現できている」

以前は紙のリストで顧客を管理していたが、電話で応対しながらリストから名前を探すのは至難の業だった。そのため電話を切ってリストをめくるまでは、新規顧客なのかもわからない状態だったという。「お得意様に何度も電話番号を聞いて、怒られたこともあった。あの状態のままだったら今はなかったかもしれない」と取締役は苦笑いする。

売掛金や代金決済に関する情報もCTIシステムでみられるようにしたため、返品の場合の相殺処理なども電話応対しながらできるようになった。今後は出荷状況などの情報も見られるようにして、顧客からの問い合わせにより迅速に答えることを目指していく。

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